家電の昭和史蛍光ランプ

 

 

 

 家電の昭和史 (家電月報「ALLE」平成18年5月~平成22年2月号掲載)

このシリーズは「家庭電気機器変遷史」(当会の創立50周年記念行事として発行:平成11年9月)をもとに、社会の出来事なども交えながら、家電製品の主な歴史について編集したものです。

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 蛍光ランプ編(昭和10年~60年代/2009年3月号掲載)

  我が国初となる蛍光ランプは、昭和15(1940)年に開発されました。奈良・法隆寺の金堂壁画を模写する

  ために20Wの直管形蛍光ランプ(昼光色)が136本使われたのが、最初でした。翌年には第二次世界大戦が

  ぼっ発し、生産されたすべての蛍光ランプは、海軍(主に潜水艦)に用いられました。

 ◆昭和29(1954)

始動装置(グロースイッチなど)なしで、超短時間に点灯する便利なラピッドスタート型蛍光ランプが発売されました。この年7月、国立東京第一病院(現:国立国際医療センター)が、我が国初の人間ドックを開設しました。

 ◆昭和30(1955) 和風の照明器具の開発との相乗効果により、環形蛍光ランプが家庭用として急速に普及し始めました。
 ◆昭和52(1977) ほぼ同等の明るさで、消費電力が5~10%減となる省電力蛍光ランプが発売されました。 同年、従来の白色蛍光ランプに比べ、明るさと物の見え方(演色性)を向上させた三波長域発光形蛍光ランプが発売されました。
 ◆昭和53(1978) 物の見え方が、自然光とほとんど同じ色に再現できる超高演色性蛍光ランプが発売されました。

 

◆昭和55(1980)

 
新形状の発光管や点灯装置などを内蔵し、一般電球と同じソケットに使用できる世界初となるボール電球形状の電球形蛍光ランプが発売されました。(定格消費電力20W/一般電球60W形相当、質量420g、価格:2,000円)。ちなみに、器具適合率が大幅に向上し一般電球に近い小型でスリムな電球形蛍光ランプが発売されたのは、平成10(1998)年でした。
 ◆昭和60(1985) ランプの形状を小型化し、U形、H形、フラット形にしたコンパクト形蛍光ランプが発売されました。この年の6月、うず潮で有名な鳴門海峡を結ぶ大鳴門橋が開通しました。当時、1,629mの全長は、東洋一のつり橋でした。
   

  その後蛍光ランプは、省エネ性・長寿命・コンパクト化とともに形状も多様化し、用途に応じたランプ

  が開発されてきました。 

● 主な蛍光ランプの歴史 ●

◆昭和15(1940)   我が国初の蛍光ランプ開発 

◆昭和21(1946)   青色蛍光ランプ発売

◆昭和29(1954)   ラピッドスタート形蛍光ランプ発売 

◆昭和30(1955)   環形蛍光ランプ発売 

◆昭和38(1963)   細管形高効率蛍光ランプ発売 

◆昭和52(1977)   省電力蛍光ランプ発売 

◆昭和52(1977)   三波長域発光形蛍光ランプ発売 

◆昭和53(1978)   超高演色性蛍光ランプ発売、U形蛍光ランプ発売 

◆昭和55(1980)   電球形蛍光ランプ発売

◆昭和60(1985)   コンパクト形蛍光ランプ発売

◆昭和62(1987)   偏平断面蛍光ランプ発売