家電の昭和史 (家電月報「ALLE」平成18年5月~平成22年2月号掲載)
このシリーズは「家庭電気機器変遷史」(当会の創立50周年記念行事として発行:平成11年9月)をもとに、
社会の出来事なども交えながら、家電製品の主な歴史について編集したものです。
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電気毛布編 (昭和30年~60年代/2010年2月号掲載)
最初に電気毛布を製造したのはアメリカで、昭和20年とされています。
◆昭和30(1955)年 ビニール被覆式発熱体が開発され、日本の寝具に合う国産初の電気毛布が発売 されました。快適な温度と安全性を得るため、10段階ある温度調節器を搭載 し、毛布内部には過熱防止装置として、小型のサーモスタットが4個内蔵され ていました。価格は13,000円でした。当時は知名度は低く、機能や安全性も評 価されていませんでした。 この年の7月、東京都の後楽園遊園地に、新しいローラーコースターが登場し ました。55kmの最高時速からジェット機にちなんでジェットコースターてい う名称が一般的になりました。 ◆昭和32(1957)年 毛布生地がドライクリーニングできるように毛布生地と発熱体が取り外し可能 な発熱布着脱式電気毛布が発売されました。 ◆昭和34(1959)年 頭寒足熱の暖房原則の効果を上げるため、発熱線の配置を胸元部は粗く、足元 部は密にして、快適性を追求した頭寒足温式電気毛布が発売されました。 ◆昭和37(1962)年 毛布内部にあったため異物感の残るサーモスタットを取り除き、発熱体自身の 抵抗の変化を利用してリレーを動作させるサーモレスタイプ電気毛布が発売さ れました。 ◆昭和40(1965)年 薄い布団でも厚い布団でも対応できるように、高温と低温に切替可能なスイッ チが付いたダブル温度調節器付き電気毛布が発売されました。 ◆昭和43(1968)年 従来は停電時にスイッチが切れたままになっていたため、それを改良した通電 自動復帰型電気毛布が発売されました。 ◆昭和45(1970)年 布団や室温などの外部条件に左右されず、適温が得られる発熱体電流量制御方 式電気毛布が発売されました。 ◆昭和47(1972)年 制御方式の変革をはかり、毛布本体の実感温度で温度コントロールができるO N/OFF制御方式を採用した電子制御電気毛布が発売されました。 ◆昭和48(1973)年 コントローラーを毛布の肩口部に内蔵し、コード類がスッキリし寝るときも邪 魔にならないコントローラー内蔵式電気毛布が発売されました。 同年、大きさ・消費電力・価格が電気毛布と比較して少なくすむ電気敷毛布が 発売されました。 この年の1月、グアム島のジャングルで、元日本兵・横井庄一さんが発見され ました。2月に羽田空港に到着し、31年ぶりに帰国しました。 ◆昭和54(1979)年 掛毛布にも、敷毛布にも使い分けができる掛敷両用電気毛布が発売されまし た。 ◆昭和58(1983)年 発熱線を入れたまま洗っても安全な制御方式の開発や縮みにくく乾きの早い毛 布生地を採用した家庭でも洗える電気敷毛布が発売されました。 ◆昭和59(1984)年 コントローラーに室温センサーを搭載し、寝室内の温度低下を検知し、寝床内 の温度を一定に保つよう温度補正する室温センサー付き電気毛布が発売されま した。 ◆昭和63(1988)年 電気毛布の生地の一部に、加工剤を付着・浸透させ、いやな臭いを触媒分解し 雑菌の発生を防ぐ消臭抗菌電気毛布が発売されました。 電気毛布は、通気性。吸湿性に優れた素材の採用や、ダニ退治が簡単にできるタイプ、さらに抗菌・ |
● 主な電気毛布の歴史 ●
◆昭和34(1959)年 頭寒足温式電気毛布発売 ◆昭和37(1962)年 サーモレスタイプ電気毛布発売 ◆昭和48(1973)年 コントローラー内蔵式電気毛布が発売 コンパクト・省エネ型電気敷毛布発売 ◆昭和54(1979)年 掛敷両用電気毛布発売
◆昭和30(1955)年 国産初の電気毛布発売
◆昭和32(1957)年 発熱布着脱式電気毛布発売
◆昭和40(1965)年 ダブル温度調節器付き電気毛布発売
◆昭和43(1968)年 通電自動復帰型電気毛布発売
◆昭和45(1970)年 発熱体電流量制御方式電気毛布発売
◆昭和47(1972)年 電子制御電気毛布発売
◆昭和58(1983)年 ウォッシャブルタイプ電気敷毛布発売
◆昭和59(1984)年 室温センサー付き電気毛布発売
◆昭和63(1988)年 消臭抗菌電気毛布発売